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漱石作品の復刻版がすごすぎる! [夏目漱石]

私は漱石の復刻版を集めている。
というのも漱石作品は、装丁が凝っていて美しいのだ。

なかでも、橋口五葉の作品はとてもステキ。
五葉は、漱石の教え子である兄 橋口貢のすすめで、「ホトトギス」
に挿絵を掲載することになった。
その後「吾輩は猫である」の挿絵を担当し、装丁家としてデビュー。
五葉の挿絵を漱石も褒めていたという。
当時の日本は洋装本の歴史がまだ浅く、漱石と五葉は新しい本の
形を作りだした。
五葉の装丁作品は、当時の愛書家にも絶賛されたそう。

先日の古本まつりに続き、時々行く近場の古本屋さんで、またまた
漱石の復刻版を発見!

吾輩は猫である、三四郎、こころの3点。

特に嬉しかったのは「吾輩は猫である」。
ご存じ漱石のデビュー作。

上・中・下のカバー。
soseki1.jpg

こちらは、カバーをとった表紙。
soseki2.jpg

背表紙。
soseki3.jpg

そして、中身。
これが、すごいんです!
なにがすごいかって、ページの下の部分がつながっているのだ。
soseki4.jpg

最初、不良品かと思っていたのだけど、ネットで調べてみたところ、
明治初期の本は紙が折られたままの状態で製本されていて、端が
切られていないため、自分で折り目を切り開きながら読み進めて
いかなければならなかったそう。

漱石の復刻版は、初版本に忠実に作られているため、「猫」も自分で
ページを切り開くようになっているのだ。
そこで登場するのが、ペーパーナイフ。
私、ペーパーナイフって封筒を開けるために使うのかと思ってたけど、
こういう時に使うのですね。
ペーパーナイフで切り開いて中身を読むなんて、ワクワクしそう。
でも、もったいないので私はこのままにしておきます。

初版に忠実に作られた復刻版。
感動です!!!

そして、もうひとつ感動したのが、「こころ」の復刻版。
こちらは、函、表紙、見返し、扉、奥付の模様、題字、朱印、検印の全てを
漱石先生が手掛けたのだ。

漱石作品は、以前は他の出版社から出されていたのだが、漱石の弟子
岩波茂雄のたっての願いで、「こころ」を岩波書店から出版することになった。
これが、岩波書店のはじまり。
採算度外視で綺麗な本を作ろうと意気込む茂雄に、漱石は自費で出版する
ことにし、装丁まで自分自身で手掛けることになったそう。

先生ってば、なんて弟子思いなんだーーー(涙)

先生の力作であり、岩波書店の出発点でもある「こころ」は、内容はもちろん
のこと、いろいろな人の思いが伝わってくる作品なのだ。

表紙の地紋には中国、周時代の石鼓文の拓本を使用。
この模様は、岩波文庫の漱石全集や漱石作品のデザインにも使用されている。
中央ケイ囲みの中は、旬子の康煕字典「心」の項が引用されている。
(左は函で、右が本体)
soseki5.jpg

本扉には「東洋風に座る仙人」が描かれていて、その対向には先生が
彫った「ars longa, vita brevis」(芸術は長し、人生は短し)の欧文印章が
印刷されている。
soseki6.jpg

奥付。緑色の検印が斜めに押してある。先生がみずから押していたそう。
soseki7.jpg

nice!(1)  コメント(8) 
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コメント 8

yako

いい話ですね。
by yako (2014-12-12 21:46) 

ヴィッツ

yakoさん

コメントありがとうございます。
漱石先生の一ファンとして、時々記事をupしてますので、
よろしければまた遊びに来て下さいね。
by ヴィッツ (2014-12-13 00:14) 

びわ

今晩は。突然ですみません。
実家を引き払う時に出てきた、
「名著復刻 漱石文学館」
編集・刊行 (財)日本近代文学館
総発売元  ほるぷ
全23点25冊解説書付きをもらっていただけませんか?
図書館に寄贈しようかと思っていましたが、
復刻版の為、本の大きさもバラバラで陳列?しづらそうだし、ブログにあったように ページの下がつながっていたら(未確認)不良品だと思われて処分されてしまうかも。
ブログを拝見して、大事にしてくれそうだなと思い、思わずコメントしてしまいました。ご検討いただき、コメントでお返事いただければと思います。
本当に突然ですみません。(^^;)
ちなみに当方東京都民です。
by びわ (2016-08-17 00:06) 

ヴィッツ

びわさん

コメントありがとうございます!
うわ~この記事をupした頃でしたら、喜んでお願いするのですが、
あれから地道に古本市や古書店に足を運び、ほぼ全巻揃って
しまったんです…。
せっかくお声掛け頂いたのに、申し訳ありません!
でも、大切な本を見ず知らずの私にお譲り下さるというお気持ちは、
本当に嬉しかったです!

漱石先生の本は本当に装丁が美しく、復刻版はその美しさが
正確に再現されているので、欲しい方はいると思います。
よろしければ古書店にお持ちになってみては、いかがでしょうか。

大切にして下さる方に巡り合えることを、心より願っています。
ご連絡下さり、本当にありがとうございました!

by ヴィッツ (2016-08-17 23:53) 

ジャポ

NHKの「漱石の妻」を見ていて、私もかつて揃えた「ほるぷ社」の復刻本から、「我が輩は猫である」を読もうと思ったのですが、ご存じの通り袋とじ。しかも表紙から数ミリ飛び出していて「表紙の幅にきれいに切りなさい」と言われているようでもありますが、どうやってきれいにカットできるのか頭を抱えてしまいました。★いい方法があったら知りたいものです。
■昔の本は装丁が本当にすばらしく、また旧字の手組の活字を読むのは引き込まれる喜びがありますね。
by ジャポ (2016-10-09 11:24) 

ヴィッツ

ジャポさん

コメントありがとうございます!
「猫」の復刻版は、私はもったいなくてカットできず
いまだにアンカットのままです(苦笑)
当時の読者はどのようにカットしていたのでしょうね。
きれいにカットできる方法、私も知りたいです。

昔の本は、本当に装丁が美しいですよね。
内容だけじゃなく、本のデザインや紙の質感など
本のすべてを楽しむことができて、電子書籍では
味わえないですよね!

by ヴィッツ (2016-10-09 23:21) 

中井タカコ

比較文学研究者です。このC's Cafe 様の『こゝろ』初版本の表紙、扉、奥付の写真を、保存させていただきました。

将来、論文に引用する可能性があります。その際、

ヴィッツ『C's Cafe』
http://cscafe-vitz.blog.so-net.ne.jp/2013-11-15

として引用させていただいてもよろしいでしょうか。
何卒、ご許可をお願い致します。

名古屋大学大学院国際言語文化研究科にて、2017年3月、博士の学位を取りました。

中井タカコ
by 中井タカコ (2017-06-25 12:38) 

ヴィッツ

中井さま

ご丁寧にご連絡を頂きまして、ありがとうございます。
一点確認させて頂きたいのですが、私がupした写真は初版本では
なく、復刻版になります。
それでも問題ないでしょうか?

by ヴィッツ (2017-06-25 19:35) 

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